山奥の小さな山小屋に住む高校生の美穂は、冬のアルバイトでお金を稼いでいた。夕方になり、美穂は疲れた体をこたつに寄せて休んでいた。こたつは大きくて熱く、美穂の体を包み込むように温めてくれた。美穂は、手元にある小さくて甘いみかんを手に取り、剥いて口に運んだ。みかんの爽やかな香りが漂い、美穂はその甘さに心を癒された。
美穂が山小屋に訪れたのは、自然に触れたいという思いからだった。翌日、美穂は山を登り、息を切らしながら山頂にたどり着いた。そこで見た景色は、美穂にとって忘れられないものになった。
山頂から見下ろす景色は、広大で美しく、美穂は圧倒された。空気は清々しく、雪で覆われた山々の美しさは、彼女を虜にした。美穂は、自分がこれからも山と共に生きていきたいと強く思った。
帰り道、美穂は小さくて甘いみかんを手に入れた。こたつに寄りかかり、温かいみかんを食べながら、美穂は自分の夢を追いかけることを決めた。その夜、美穂は深い眠りについた。
翌朝、美穂は山小屋を出発する客たちを見送った。美穂は、美香という30代の女性とともに暮らしていたが、美香は美穂の夢を応援していた。美香が「お疲れ様、また来てね」と声をかけると、美穂は笑顔で「はい、必ず来ます！」と答えた。
美穂は、小さくて甘いみかんの温かさと、自然に触れることで得た感動を胸に秘めて、山小屋を後にした。しかし、美穂は決して山小屋での思い出を忘れることはなかった。
数年後、美穂は大学に進学し、生物学を専攻した。大学の研究で、彼女は自然と繋がることの大切さを実感した。その後、美穂は環境保護団体に参加し、自然の保護活動を行った。彼女は、山小屋でのアルバイトで得た自然の美しさを思い出し、自分が行っている活動が自然保護に役立つことを実感していた。
ある日、美穂は山小屋に再び訪れた。山小屋は変わっていた。美穂が働いていた頃よりも、さらに古くなっていた。しかし、美穂にとっては、それでも懐かしい場所だった。
美穂は、美香と再会し、話をした。美香は、美穂が環境保護活動をしていることを知り、驚いた様子で美穂に尋ねた。「美穂ちゃん、あの頃から変わらないね。山と自然を愛しているんだね」と。美穂は笑顔で答えた。「はい、美香さんに出会ったおかげで、自分が何をしたいのか分かりました。」
美香は、自分が山小屋を始めたきっかけについて話した。「私も、自然と触れ合うことが大切だと思っていたんだ。でも、あの頃は、自分自身も迷っていた。でも、美穂ちゃんと出会って、私も自分が何をしたいのか分かったんだ。」
美穂は、山小屋を後にする前に、こたつで小さくて甘いみかんを食べた。温かいこたつの中で、みかんの甘い香りが漂い、美穂は心地よい感覚に包まれた。
美穂は、山小屋での思い出を胸に秘めながら、自分が環境保護活動をすることで、自然を守りたいという思いを強く持ち続けた。そして、彼女は自分自身が感じた自然の美しさを、次の世代に伝えていくことを決意した。
こたつはあの時よりもほんの少し小さく感じた。
完
